地平線は何キロまで見える?
昔、オートバイで北アフリカのサハラ砂漠をツーリングしたことがあった。砂漠というところは荒れていて走りにくいところが多い。硬く締まった部分もあり走り易いのだが実に退屈である。ゆけどもいけども景色が一日中変わらないことがある。変わるものといえば太陽の位置ぐらいだ。
朝のうちは心身ともに元気なので走りに集中していられるのだが、午後にもなると疲れもでてきて不安や疑念が沸き起こってくる。『わだちの跡が消えているがこのルートであっているのだろうか。』とか次々に雑念が出てくる。そういう時は停止せずに走り続け、気に入った問題を頭の中でこねくりまわす。たとえば『いったい、あの地平線までとはどのくらいの距離があるんだろう。』『目的地まであと約50㎞あるがどのくらい上空から見たら目的地は見えるのだろうか。』『地平線はいつまでも同じ距離に見えるが、ほんとうにそうか?それはなぜ?同じ距離とは何㎞?』という具合だ。そうするとインスピレーションが思考とは違う方向からやってきて心がワクワクしてくる。
地平線といえば “地平線のかなた”とか“天と地がひとつになるところ”などイメージ的には結構遠い感じがするがほんとうにそうだろうか。文学的表現と実際は往々にして隔たりがあるものなのだ。 ちなみに知人に「地平線までの距離ってどれくらいあると思う?」と聞いてみた。答えは人によってさまざまで「10㎞くらい?」「40㎞くらいかなあ?」「100㎞以上?」。実際、地平線までの距離はどのくらいあるのだろう。地球は球状でその上にのっている私たちの身長(正確には眼の位置)の高さから見える限界の位置が地平線である。求め方は「地平線距離=√地球の直径・目の高さ」である。詳しい説明はここでは省略させていただく。結論から言うと地平線距離は約4.8㎞である。4.8㎞といえば、新宿を中心にしてみると東は皇居くらい、西は高円寺くらい、北は池袋、南は中目黒あたりまでだ。直径で9.6㎞、その円の面積は72平方㎞である。地平線をぐるりと360度回っても円周上では30㎞程度だ。軽くジョギングで30分、これが地平線までの距離である。目の高さが変われば地平線距離はさらに遠方になる。ちなみに50㎞先の目的地を見るためには150m程度目の高さが上がればよい。高層ビルの35〜36階位だろうか。
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