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日本からバイクが消える日    2008.09.13

縮む内需、迫る危機  

車もバイクも新車が売れない。買い替えをすすめても「まだ修理して乗る」「もう買わない」などというユーザーが多いという。

“戦後初の自動車保有台数減少”という新聞の見出しがあった。(平成20年7月)

二輪車の保有台数が減少してから久しいが、四輪車が減少するのは初めてのことらしい。

 

車社会の三重苦といわれる「少子高齢化」「若者の車離れ」「ガソリンの高騰」などがおもな原因といわれているようだが本当にそれだけだろうか。

2年程前には130円台で推移していたレギュラーガソリンの価格は今年の6月には170円を突破した。この異常な「ガソリンの高騰」も原因のひとつだし、「少子高齢化」になれば当然、車に乗る人は減るわけだ。「若者の車離れ」に対する意識調査でも若者の興味の対象はパソコンや携帯電話に移り、全体の50~60%に達し、自動車と答えた人は30%と少数派だったそうだ。なるほど若者の車離れを裏づける調査結果だと思う。だがこれだけでは終わらない。携帯電話の出荷率は今年の1~6月で対前年比を背景に減少に転じたし、パソコンの普及率は鈍化している。いったいこれはどういうことか、わが国ではさまざまな市場が縮小に転じているのだ。建築、不動産、だけではない。居酒屋チェーン、ゲームセンターや衣食住全般に関わる消費も細っている。

 

車の販売店も二輪車の販売店も将来的な危機感から、将来の下取り価格を新車価格から差し引くことで月々の支払の負担を軽くする「残価設定ローン」の導入やガソリン消費の少ないエコカーの投入など市場を刺激する策を講じている。

だ が本当の問題は新車が売れないことではない。車離れやバイク離れを示す保有台数の減少こそ大きな脅威なのだ。ユーザーから最近よくこんな話を聞く「欲しい と思うバイクや車がない」。実は欲しいと思う車種がないのではなく今の車やバイクが欲しいと思えないのではないか。あらたな価値観の創造が必要なのかも知 れない。

 

世界でもトップクラスのわが国の自動車メーカーは外需依存で大きくなってきた側面がある。しかしこのままでは日本国内からこの産業が衰退していくことになりかねない。自動車メーカー(二輪も含む)をはじめとして業界をあげての総合的な取り組みが急務である。

 

  2008年9月13日   増子 哲一

 

東京オートバイ協同組合機関紙「TAC通信2008年9月号」より